なぜ小児矯正治療が必要なのかについて

最終更新日 2024年4月9日 by wissma

よく小さい子供が笑って口を開けたら、金属製のワイヤーが歯に巻かれて歯科矯正しているのを見た人も多いはずです。
その時に、どうせ子供の歯は抜けて永久歯に生え変わるにだから、何でわざわざ正しい位置に矯正して治す必要があるのかと疑問に感じた人もいるかもしれません。
そもそも全ての子供が矯正が必要という訳ではなく、何が原因で歯並びが悪くなるのかと言うと、一部遺伝的な要素もありますが食生活や悪い習慣が起因します。

子供の歯並びが悪くなる原因

最近の食品はビーフジャーキーやスルメなど噛み応えのある食品が減って、柔らかい食べ物が増えました。
柔らかい食べ物は噛まずに食べられるため、顎の筋肉の鍛えられなくなった事が歯並びを悪くする1つの要因となっています。
それに加えてテーブルや机に手をついて頬杖をしたり、おしゃぶりを卒業した後も未練がましく指しゃぶりを続けるなどの悪習慣によっても歯並びが悪くなります。
子供が歯並びが悪くなると、当然普通にハミガキをしても上手に汚れを落とせずに、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
野球やテニスやゴルフなどのスポーツをやっている人なら知っていると思いますが、バットやラケットやクラブをスイングする時にインパクトの瞬間歯を噛みしめますが、それも出来にくくなって苦手になります。
また姿勢にも影響を与えて、腰痛や関節痛にもなりやすくなって健康も害してしまいます。
そしてなにより歯並びの悪い外見を気にして、それをコンプレックスに感じて笑顔が無くなって暗い子になるリスクが高まります。
そういった理由から小児矯正治療は必要で、まだ悪くなり始めの小さい時から始めれば短期間で改善させる事が出来て、生活指導で悪い習慣も改善させやすいです。

大人になったらさらに酷い健康面と心理面の影響が出てくる

それでもやっぱり高いお金を出して小児矯正治療するのはお金が勿体ないと考えたり、どうせ子供の歯は抜けて永久歯が生えるから問題ないと思っている親御さんもいるかもしれません。
少し考えれば解る事ですが、子供の歯が抜けた箇所に順番に永久歯が生えてきます。
歯並びが悪い所に生えてくれば、当然変形した形で生えてきてしまいます。
そして子供の頃に悪い歯並びと嚙み合わせのまま永久歯が生えると、大人になったらさらに酷い健康面と心理面の影響が出てしまいます。
歯並びが悪いとすきっぱなどの間に食べカスが溜まりやすくなり、ハミガキし難くなって虫歯や歯周病のリスクは子供の頃よりも高まります。
さらに長期間歯並びが悪いと、顎の関節にも悪影響を与えて、大きく口を開けたら痛みを伴う額関節炎を発症する可能性が増します。
当然ですが歯並びは悪習慣を繰り返した期間が長ければ、それだけどんどん悪化して行きます。
見た目にコンプレックスを感じて、人前で笑えなくなって性格まで内向的になってしまいます。
そして大人になってからも歯科矯正治療は可能ですが、噛み合わせの悪さは子供時代よりも酷くなって同じ治療を行っても期間が何倍にも長期化したり、外科的な手術でしか対処できなくなってしまいます。
そのようにならないためにも子供の出来るだけ早い時期に、小児矯正治療を始めた方が楽です。

小児矯正は6歳から12歳ぐらいの時期に行うのが一般的

小児矯正はいくつ位の年齢が対象かと言うと、6歳から12歳ぐらいの時期に行うのが一般的です。
何故この時期かと言うと、乳歯から永久歯に生え変わる時期が矯正治療の最適期だからです。
大人の矯正治療との違いは、子供の場合は顎の成長をコントロールできる点にあります。
何故なら子供の骨格はまだ成長過程なので柔らかくて、歯の土台のバランスの調整が非常にやりやすいからです。
ワイヤーを掛ける本数も少なく済むため、治療費もその分安く済みます。
小児矯正治療で使われる器具は、拡大床とFKOとムーシールドとリンガルアーチとヘッドギアとワイヤーブラケットが用いられます。
拡大床は、自分で取り外しが可能な器具で、歯列の横幅を広げたり歯を移動させる事が出来て、1日18時間以上使用する事が推奨されてます。
FKOも自分で取り外す事が可能な矯正器具で、出っ歯や受け口などの飛び出した歯を正しい位置に戻すために使われ、1日10時間で歯ぎしりをする就寝時間に使用されます。
FKOを使う事で、出っ歯や受け口の原因の歯ぎしりの力が分散されて改善します。
ムーシールドは取り外し可能な器具で、マウスピースのような形をしていて、出っ歯や受け口の予防に就寝時間に使われます。
リンガルアーチは、自分で取り外せない器具で、奥歯にセメントを使って装着させて、針金を使って歯列を整えたり顎を広げるために用いられています。
器具が奥歯で目立ちにくいというメリットがある反面、しゃべり難くなったりハミガキもし辛くなります。

まとめ

ヘッドギアは自分で取り外しが可能な矯正器具で、乳歯段階の出っ歯の治療に用いられます。
ワイヤーブラケットは、大人の歯科矯正でも用いられる器具で、永久歯の矯正が行えます。
ワイヤーを調整する事で、自由に強められるため微調整して細かい歯の移動が可能です。
これらの治療とセットで、歯並びを悪くする悪習慣の生活指導も行います。

立川 小児矯正